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サイクルショップ勤続20年の自転車技師・整備士がお届けする
「失敗しない自転車の選び方講座」
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以前書いた記事
電動アシスト自転車の的確な選び方!初心者向け解説
では、電動アシスト自転車を購入する際に参照してほしい、ユーザー各自の目的に応じた選び方をご紹介しました。
今回は子ども2人を電動自転車に乗せて通園する方のニーズにこたえてくれる「2人同乗用子乗せ電動アシスト自転車」にスポットを当て、詳しく解説していきたいと思います。
子乗せ電動自転車と一言で言っても、もともと前にチャイルドシートがついているタイプと後ろにチャイルドシートがついているタイプがあり、メーカーによっても様々なモデルが出ていますよね。
子どもを二人のせるには
- 「もともと前にチャイルドシートがついている電動自転車」に「別売りの後ろチャイルドシート」をつける方法
- 「もともと後ろにチャイルドシートがついている電動自転車」に「別売りの前チャイルドシート」をつける方法
の2つの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
このページでは、
について、詳しく解説していきます!
子乗せ電動アシスト自転車の基礎知識
まずはチャイルドシートが標準装備されている電動アシスト自転車について、購入前に確認しておくべき基本情報を挙げていきます。
特徴・子乗せ電動自転車と一般電動自転車との違い
子乗せ電動アシスト自転車の特徴として、以下の点が挙げられます。
- 普通の電動アシスト自転車よりもホイールベースが長い
- 普通の電動アシスト自転車よりもタイヤが太い
- チャイルドシートを2台まで装着できる
ホイールベースとは前輪と後輪との間の長さで、長ければ長いほど走行が安定します。
タイヤが太いので、スピードは出ませんがふらつきにくいのも特徴です。
こどもを乗せても安定して運転できるよう考えられて設計されています!
子乗せ専用電動自転車は2種類
子乗せ電動自転車には
- 前に子ども席が標準装備されているタイプ
- 後ろに子ども席が標準装備されているタイプ
の2種類があります。
前後両方にチャイルドシートが標準装備された電動アシスト自転車は存在しません。
2人の子供を乗せる場合は、それぞれもう片方に別売りのチャイルドシートを取り付けます。
メリット・デメリットは下記をご覧ください。
同乗する子供は何歳から何歳まで?体重は?
乗せられる子供の年齢は1歳からです。
しかし、子供さんの性格(例えばじっとしていられないなど)によっては1歳になっていても危険を伴う場合もありますので、慎重に検討する事をおすすめします。
「何歳まで」という決まりはありませんが、電動アシスト自転車のチャイルドシートは運転者の前と後ろそれぞれに体重制限が設けられています。
- 前に乗せられる子供の体重は15㎏未満
- 後ろに乗せられる子供の体重は約24㎏未満
この数値はどのメーカーの電動自転車も規格で決まっています。
「何歳まで」ではなく、「何キロまで」というふうに考えて判断してくださいね。
意外と知られていない制限事項ですが、安全に乗るために必ず守りましょう。
子供を乗せる電動自転車の注意点
子乗せ電動自転車は重い!
子乗せ電動自転車の車体重量は約30~35kgです。
これは一般的な自転車の車体重量の約2倍に相当します。
さらにお子様を2名自転車に乗せたら、総重量は約50kg。
日本人の成人女性1人分ぐらいですね。
自転車というものは、乗って走行するだけではなく、降りて段差を越えたり、駐車場に入れたり、押して歩いたりする機会も多くあります。
子供乗せ専用電動自転車は車体が重たい自転車であるという事を認識しておく必要があります。
自転車に乗るのが久しぶり!
子乗せ電動自転車を購入を検討されている方は、自転車に乗る事自体が久しぶりの方も少なくないのではないのでしょうか。
例えば、学生時代は自転車に乗っていたけど、社会人になり車や公共交通機関が主な移動手段になっていたり。
久しぶりの自転車にという事に加え、子供を2人乗せると総重量が約50㎏にもなる子乗せ電動自転車を、安全に運転する事ができるのか。
大前提の確認事項ですが、販売店で実際に試乗してしっかり確認しておきましょう。
2人子供を乗せる電動自転車のお得な選び方
先述したとおり、2人の子供を電動自転車に同乗させるには
- 「もともと前にチャイルドシートがついている電動自転車」に「別売りの後ろチャイルドシート」をつける方法
- 「もともと後ろにチャイルドシートがついている電動自転車」に「別売りの前チャイルドシート」をつける方法
の2つの方法があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
以下ご参照ください。
1.前子乗せ付電動自転車
前に子ども席が設けてある電動アシスト自転車のメリット・デメリットをまとめました。
メリット
唯一にして最大のメリットは、
- 子どもを乗せてもふらつきにくく、非常に運転しやすい
という点です。
その理由は自転車の構造にあります。
- 子ども席がハンドルの中心部分に設置されている事により、重心がハンドル中心に置かれる為、運転してもふらつきにくい
- ハンドルとサドルが離れている為、運転中膝がハンドルに当たりにくい
子どもを乗せる為に考えられたこの構造は、ふらつきにくく安全な運転を叶えてくれます。
デメリット
- 前カゴが無く、荷物を収納する場所がない
- 後ろ子乗せ電動自転車に比べ、価格が高い
- 体重制限が15㎏未満と決められており、乗せられる期間が短い
体重15㎏はだいたい4歳前ぐらいまでです。
また、収納が無いというのも実際使ってみたら正直かなり利便性に欠けます。
コスパは悪いですが「安定感と操作性」が唯一無二のメリットという事になりますね。
自分のライフスタイルとよく相談して決めましょう。
後ろ子乗せ付電動自転車のメリット・デメリット
後ろに子ども席が設けてある電動アシスト自転車のメリット・デメリットをまとめました。
メリット
- 前カゴがついている為、荷物を収納する場所がある
- 前子乗せ電動自転車に比べて価格が安い
- オシャレなデザインの車種が多い
野暮ったくなりがちの子乗せ自転車ですが、デザインが良いのはおしゃれママにとって魅力的なメリットですね。
デメリット
- 別売りの前用チャイルドシートを取り付けて2人子どもを乗せた場合、膝が前用チャイルドシートに当たってしまう
- 別売りの前用チャイルドシートは前カゴの手前に装着する事になる為、ハンドルの操作がし辛い
身長の高い方(脚の長い方)はペダルをこぎづらく感じるかもしれません。
操作性にこだわらないならこちらをオススメします!
前子乗せ専用か後ろ子乗せ専用か選ぶ基準
選ぶ基準として、各電動アシスト自転車の特徴を比較するとこのようになります。
前子乗せ | 後ろ子乗せ | |
価格 | 高い | 安い |
前カゴ | × | 〇 |
運転のしやすさ | 〇 | × |
デザイン | × | 〇 |
表を見たら明確ですが、運転のしやすさを基準にしなければ、圧倒的に後ろ子乗せ用電動自転車に軍配が上がります。
現に、街で見かける子乗せ電動自転車の大半は、後ろ子乗せ標準装備のものです。
メーカーが出している車種数でも、後ろ子乗せのものが断然多いのが現状です。
走行の安定性にこだわらない場合は、後ろ子乗せ用電動自転車に別売り前子乗せを取り付ける事をオススメします!
終わりに
2人の子どもを乗せる電動アシスト自転車について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。
子どもさんを乗せて走るサイクリングライフは、期間限定のかけがえのない思い出です。
満足できる愛車に出会えるお手伝いができれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!
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